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【町工場から五輪へ】(2)モーグル・上村選手の靴 運命の出会い…10年一途(産経新聞)

 昨年結婚して話題を呼んだモーグルの上村愛子選手(30)には、夫の皆川賢太郎選手(32)以外にも運命の“恋人”がいる。出会いから約10年、一度も浮気をしたことがないという「レグザム」(本社・大阪市中央区)のスキー靴だ。

 「何て足だ」。平成13年、スポーツ事業部長の林末義さん(54)は初めて上村選手の足をみて驚いた。外反拇趾(ぼし)で親指の付け根が外側へ突き出し、足幅はワイドサイズの靴よりさらに4ミリ大きい。足との一体感が求められる競技用の靴は密着するタイプが多く、当時、上村選手は足の痛みに悩んでいた。

 レグザムの靴は、社員をスキーの本場、オーストリアの職人に弟子入りさせて学んだ製法を取り入れており、徹底して足に優しい。足型を分析し、かかとを置く高さや傾き、地面とアキレス腱(けん)の角度を調整して「いすに座り足をぶらぶらさせた自然な状態」を再現する。自分に合う靴を探し求めていた上村選手が初めて出会った「痛くない靴」だった。

 同社は電子部品メーカーだが、平成5年にスキー靴業界に参入。当初は海外のトップレベルの選手に試してもらっても「履き心地はいいがタイムが出ない」と評価されず、1万足以上の材料を仕入れたのに300足しか売れなかったという。それでも足への優しさにこだわり続け、低温でより強い力に耐える新しい樹脂の開発など改良を重ね、上村選手の活躍や海外でのシェア拡大につながった。

 靴の金型は、国内で唯一スキー靴を扱う「和田金型工業」(神戸市)が請け負う。営業担当の橘秀靖さん(51)は「数字化できない感覚的な修正がスキー靴の難しさ。キャリア40年の職人が、手作業で細かい注文に応える」と話す。成型も大阪市内の企業が行っており、関西の「ものづくり力」の結晶でもある。

 林さんは「頼まれたわけじゃないけど、後悔したくないから」と、上村選手の試合当日は会場で最終のメンテナンスにあたる。「愛子ならやってくれる。表彰台の一番高いところで、この靴をみたい」

                   ◇

【用語解説】フリースタイルスキー・モーグル

 コブが深く、2つのエア(ジャンプ)台がある急斜面を滑って、ターン技術やエア演技、タイムを競う。バンクーバー五輪には日本からは男女各4人が出場。女子は開幕翌日の13日(日本時間14日)、男子は14日(同15日)にそれぞれ予選と決勝が行われる。上村選手は4度目の五輪で念願の表彰台をねらう。

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